肺炎は予防できなかったのか?

 ICUの控え室の片隅にちょっとした器械があり送風音がいつもしています。空気清浄機かと思っていましたが、ちょっと気になって近づいてよくよく見るとプラズマクラスターイオン発生器と書いてあります。調べてみると空気中に浮遊するカビ菌や細菌の作用を押さえるらしい。このプラズマクラスターイオン発生器の存在自体知りませんでした。

肺炎予防接種
 そういえば昨年暮に訪問看護師さんが肺炎予防接種があることを自信なげに話していたのですが、インフルエンザの予防接種と混同しているのではないかなどと思ってしまいましたが肺炎の予防接種があるみたいです。こんなことも知りませんでした。

 私は悪いことはつい他人のせいしてしまいますが、自分はどれだけ肺炎にならないよう対策をしたかと自問するとやってない事がたくさんあることに愕然とします。

 原始的なマスク使用も風邪予防に効果的なことは経験上感じていたので私自身は四六時中使用して風邪の予防に腐心していましたが、妻は嫌がってすぐにマスクをはずすのでついマスクをさせないまま過ごしていました。拘束してでもマスクをさせておかなければいけなかったと強く後悔しています。今回の肺炎の原因は何なのかわかりませんが出来る対策はすべておこなって予防しなければなりませんでした。

 知らなかったでは済まされない、取り返しのつかないことになってしまいます。

 介護に携わっている方は私の失態を反面教師としてお役立ていただければ幸いです。

早朝の電話

 朝の8時半まえに家の電話が鳴りました。一瞬不安が頭をよぎります。

 明日到着予定だった代引き宅急便の到着予告電話でした。宅急便の到着はほんと速くなりましたね。

 面会に行くとMRSAという菌が尿の中から検出されたということでゴム手袋とビニール前掛けをつけさせられました。妻の血圧は上が83mmHgに下がっているし、呼吸器の酸素濃度は50%に上げられたまま。悪いのだなと素人にも分かる状態だ。面会中の12時30分に輸血バッグが下げられて輸血がはじまる。
 看護師さんが「これで元気が出ますよ。」と明るい声をかけてくれ希望をつなぎICUを後にする。部屋を出たら消毒手荒い、家でも手洗いを励行して下さいと注意を受ける。

担当医からの話

 朝、面会に行くと看護師さんが担当医から話があるのでちょっと待っていて欲しいと言われる。

 そのお話の内容は、白血球、血小板の数が通常の1/7位にまで落ちヘモグロビンと酸素の結びつきもかなりなところまで落ちてきている(私の記憶ですので正確な表現ではありません)。それでこれ以上悪くなると輸血をしなければならなくなる。輸血にもリスクがあるので承諾書に署名捺印が必要とのことでした。

 昇圧剤を限界まで使用してやっと血圧(上)が100mmHg、気管挿管しての人工呼吸で動脈血酸素飽和度 (SPO2)を保つ状態。親族は私にここまでの延命は本人を苦しめるだけではないかと疑問を投げかける、ICUもそんなに長期間は入っていられないことだし。

本日の面会

《午前の面会》
 訪れて声を掛けると視線が私の方を向き目が少し大きく開きました。しかし初回だけでその後の声かけや「目を閉じてみて」とか「目を大きく開けてみて」とかお願いしてみても反応はみられませんでした。
 バイタル数値は [10:30] 血圧100-30mmHg、SpO2が95%
             脈拍が83 今日は酸素が30%と上げてある。

 動脈血酸素飽和度(SpO2)が下がったのでしょうか?人工呼吸器の酸素濃度が30%に上げてありました。

《夕方の面会》
 夕方訪問した時は声掛けに反応がありませんでした。SpO2の数値は上がっているのですが人工呼吸器の酸素濃度の設定が40%へと上げてありました。1時間程度居る間、尿が全く出ませんでした。両手の浮腫(むくみ)とチアノーゼがひどく目につきます。足にも少し浮腫みがあります。顔にはさほどの浮腫はないようです。
 バイタル数値は[18:00] 血圧102-33mmHg、SpO2は98%
             脈拍は89 人工呼吸器の酸素濃度40%に設定変更

 現在、正面柱の真上の部屋に妻は寝ています。室内では柱は丸くなっていてその柱のそばに妻の頭があり体は奥のほうへ伸びています。窓二つが一部屋となっています。病院への行き帰りにいつも眺める風景。

つらい面会

 気管挿管された妻の姿を目にするのは実に辛いものがあります。挿管する時に気道を傷つけたそうで口の中や唇にまだ出血が見られます。
 バイタル数値は [11:30] 血圧115-47mmHg、SpO2が95〜96%
             脈拍が111 
         [18:00] 血圧 102-48mmHg、SpO2が94%  
             脈拍が112
 昇圧剤は限度近くまで入れているそうです。人工呼吸器から送られる空気には25%の酸素が含まれる設定になっています。(普通の空気に含まれる酸素は21%)

 今日も呼びかけに明確な反応はみられません。まばたきもしませんが目を閉じたり普通に開けたりします。眼球の動きが右寄りに行っていることが多く、左に行っては右寄りに戻るような動き(半身麻痺のためか?)。尿の出はいいようです。手の指、甲に浮腫が強くみられます。

本日の容態

 本日のバイタル測定値はSpO2が93%、血圧が83-23、88-31mmHgと昨日より下がっています。これは昇圧剤の量を少し減らしたことによるようです。
 まばたきはなく眼球が多少動いています。口はたまに閉じることがあり、看護師さんが体位を変えると痛みがあるのか眉間にシワをよせます。呼びかけには反応がありません。尿は1時間程度居る間に30〜40ml 程度お茶色の尿が出ていました。

 一見、最初の脳内出血でK病院に入院した直後のような容態に思えます。