こだわり「水」

 若い頃、水道本管を作る工場へ仕事で行ったことがあります。水道本管は鋳物で出来ています。そして管の内側は錆び止めの塗装がしてあります。私が行った工場ではフッ素系の塗料を吹き付けていました。
 製造工程の合間の待ち時間に付き添ってくれた工場の人が独り言のように「水道本管の塗装は害はないんだろうか。」と横でつぶやきました。その頃、船舶の塗装がある貝のホルモンを乱してオスばかりになりメスができないという現象が大きなニュースになっていました。
 日本全国に張り巡らされた水道本管はあまりの距離になり取り替えることなどできません。そして誰も問題にすることはありませんでした。

 水道の塩素消毒はトリハロメタンの問題で大きく取り上げられ、現在はオゾン殺菌に変わりカルキ臭はなくなりました。それでも我が地の水道の原水は河川から取っています。浄化されてはいても完璧とは思えません。
 私の家には井戸があり子供の頃はこの井戸水を飲料にしていましたが、下水道が敷設されてからは水質が悪くなり上水道に切換えさせられました。現在、我が家の井戸水は庭の植木に撒くのに使用するだけとなりました。

 妻に注入する水分は水質検査を通った井戸水を汲みに行って、それを煮沸した白湯で使用しています。水は人間の体を構成する一番大切なもの。体に取り入れる水は出来るだけいい状態のものにしたいと思っています。