退院 - 自宅へ戻る

2009年10月5日に救急車で運ばれてからおよそ9ヶ月ぶりの2010年7月1日午前、退院しました。
移動は介護タクシーにストレッチャーで、訪問看護の看護師さんに添乗していただきました。

自宅には機材の業者さん、ケアマネージャーさん、ヘルパーさん、訪問看護師さんとおおぜいの人が来て機材の説明やらお世話やら忙しい時間が過ぎて行きました。

看護師とヘルパーさんは夕方にもお世話に来てくれ、はじめの数日は朝と夕の2回様子見に来訪してくれました。

人工呼吸器
夜間は人工呼吸器を使用するように言われていたのですが本人はいやがる素振りを示します。二日目にはかなり手を上げて呼吸器を取付けるのに抵抗をしました。病院ではいやがることはなかったので機材の業者に電話で調整など聞くがあまり調整は出来ない。訪問の医師に聞くと1時間でもいいので使用するように指示される。
取付けてもいやがるので結局人工呼吸器は外したままで様子を見る。
ずっと監視するつもりがちょっと横になるとうっかり2、3時間眠ってしまい、ハッと目が覚めあわてて呼吸しているか見る。妻の胸が少し動いているのを見てホッと安心する。
結局なだめすかして夜間わずかづつ使用で3、4日使っただけでした。夜間はやはり心配なのでアラームのついたパルスオキシメーター(血中酸素飽和度計)をリースしてもらうように手配しました。

血液中の酸素濃度が下がったり脈拍が下がると大きなアラーム音が鳴るので随分安心感があります。妻は病院に引き続き1分あたり1リットルの酸素を入れているのでサチュレーション(飽和酸素濃度)が下がってアラームが鳴ることはなく、不整脈があるので脈拍が高くなってアラームが鳴ることが多いようです。痰を吸引する時に咳き込んで苦しそうな顔をする時には脈拍が150前後まで上がったりします。

痰(たん)吸引器
左/ カテーテル洗浄消毒液セット 右奥/ 吸引器 右前/ アルコール綿
気管切開部より痰を吸引するカテーテルの取扱いは病院によって異なっていました。A病院とC病院は吸引するたびに新しいカテーテルを封を切って使用していました。B病院は消毒液に漬けておいて使用前に滅菌精製水を通します。カテーテル自体は多分24時間使用して新しいものに交換だと思われます。今回の訪問医師の医院は24時間使用したカテーテルは回収して殺菌消毒して再使用です。ABC病院とも吸引する看護師は新しいビニール手袋をしますが訪問の医師、看護師は素手で取扱います。
この差異には戸惑いを覚えましたが、毎回ビニール手袋をするのは手間なので時々手を洗うように気を付けて素手で吸引するようにしました。再使用で支給される吸引カテーテルは消毒されているとはいえコーヒー色に変色しているものが多少混じっているのでこの変色したものは使用しないようにし、通信販売で新品を購入しました。50本入りが2500円でした。1本50円相当のようです。

心配だった夜間の痰の吸引は眠っている間は痰は出なくて8時間吸引なしのこともあります。昼夜逆転で目は閉じていても起きているらしい時は夜間も時に咳き込むので痰を吸引しなければなりません。
昼間は2時間おきでは足りないくらい痰がでる咳をすることも多いようです。吸引カテーテルは気管支に届くのではないかと思うくらい20cmくらい挿入するように教わりましたが、奥まで挿入すると妻は苦しがるので僕はカニューレの長さくらい(10cm〜12cm)でとどめるようにしています。痰はカニューレのところまで上がって来ているようです。

栄養注入
栄養は250ml缶詰で支給され朝昼晩と1缶づつ注入します。注入用のボトルは最初プラスチックでしたがネットオークションでガラスのものを見つけて購入しました。ボトルの吊り下げは天井にフックをつけることを勧められましたが、移動も考えネットオークションで塗装の剥がれた中古品が安価であったのでこれも購入しました。
経鼻のチューブは家に戻ってからも2回ほど自分で引き抜きました。再挿入は訪問の看護師にやってもらいました。ケアマネージャと訪問医師との打合せで自宅に戻って落着いたら胃瘻(いろう)にしてもらうことになっています。







使用する流動食栄養はエンシュア・H 1.5という商品です。少し温めて注入ですが、40分〜1時間かけて注入する間に冷めているようなので夏場は室温のまま(そのまま)注入しています。
栄養を注入したあとには錠剤の薬をペンチで砕いて水に溶いて注入そして白湯を200ml注入。最後に酢水をチューブに満たし空気を入れないようにキャップをする。




薬入れ
訪問看護ステーションより一週間分の薬入れを用意していただきました。これは薬を注入するのを忘れなくて非常に便利です。
くすりを水に溶いて注入するのに注射器(シリンジ)を使います。最初プラスチックの注射器を使用していましたが1週間くらいすると内筒のゴム部分が固くなり使用しづらくなるのでガラスの注射器を手に入れて使用するようになりました。
くすり用でない酢水用はかなり長持ちします。