在宅介護の準備


妻の退院は2010年の7月1日と決まりました。彼女の現状は鼻から栄養注入のチューブを胃まで留置、気管を喉で切開してカニューレという管を設置し夜間は人工呼吸器とつないで使用、そして尿が自然排出されないので尿道からチューブを入れ膀胱にバルーンを留置して排出という状態です。

1. 痰の吸引
病院では2時間ごとに痰の吸引をしているのでそのやり方を吸引時間に実地練習を行いました。以前は毎日のように看護師さんが行うのをそばで見ていましたがいざ自分でやるとなると手順が数度の練習では覚えられません。
10回程度行ったころより慣れて一人で出来るようになったと思います。
吸引はカニューレからの他にカニューレが気管内壁と密着するようにカフというバルーンがあるのですが、そのの上に溜まった痰も時々吸引するのと鼻から吸引カテーテル(チューブ)を入れ鼻腔奥から喉の痰も吸引します。
見えないところですので手探り状態でよく分からないまま行っているのが実感です。本人は苦しそうな顔でもがくし、ちょっとこわいし、かわいそうな感じがします。

自宅で吸引するのは私一人になるが夜中も2時間おきに起きる自信がない、どうしようかと考える。マルチ設定アラームの目覚まし時計を探すとシチズンにバルデジットR064というのが商品としてあるが現実にはどこも在庫なし中古をオークションで探すが出て来ない。 困った、シチズンで教室などに掛ける大型の時報チャイム時計がマルチに時報を設定できるようだが価格がちょっと高いのが難点。携帯電話のアラームを夜間設定するしかないか…

病院の看護師によっては、眠っている時は副交感神経で呼吸するので痰はほとんど出ないので間隔をあけても大丈夫と教えてくれるが、また別の看護師は夜間も2時間おきに吸引しなければならない、病院では夜間も2時間おきに吸引していると言う。

2. 経鼻の栄養注入
鼻から入れたチューブで流動食を朝昼晩と3回注入するするのですがその都度事前にチューブがちゃんと胃の中に届いているか確認する必要があるそうです。チューブがとぐろを巻いていたりすることがあり逆流して肺に誤飲して大変なことになると言われる。
その確認は注射器で空気を送り聴診器を胃の上に当てて、ゴボゴボという泡の音を聞いて確認するのです。
その実習を何度か行いました。

病院では朝昼晩と各200mlの流動栄養と錠剤薬をペンチでつぶして粉にし水に溶かして注入と白湯を200ml注入を行っていました。流動栄養と白湯はそれぞれ点滴で40分程度で注入するよう調整します。

3. 口腔清掃
口の中は雑菌が繁殖するので口から何も食べなくても日に一度はスポンジで清掃するか歯ブラシでブラッシングしたほうが良いとのことです。磨き剤はごく微量でよいそうで練習しましたが、病院ではバキュームですすぎ水を吸引します。
 このすすぎの時に妻の喉がゴクッと動いたので水を飲んだと思い、ものを飲み込めるのではないかと思いました。試しにマーマレードを少し口に入れると舐めて飲み込んだようだったので、こっそりとゼリーなどを食べさせるようになりました。

4. 膀胱留置バルーン
妻の尿には浮遊物が多くバルーンはすぐに詰まるので病院では三日ごとに交換をするそうです。在宅に向け自然排尿できないかバルーンを外してみてもらいましたが難しいようでした。眠る前に200mlの白湯を追加注入するようにしたら詰まるのが遅くなり一週間程度で交換となったそうです。
在宅では訪問看護の看護師さんが交換は行うので任せればいいようです。

5. 排便
自然排便はないので三日に一度座薬で排便を処理するとのことで、これは実地練習はしませんでした。一度だけ排便処理を見学させてもらいました。